第二章十三話

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 琥珀たちに向けて言うと、彼女は「こんな軽薄な男と一緒にしないでよ」と言った。    蓮也はぽりぽりと、気まずそうに頬を掻いている。 「先生には分かんないと思うが、好きか嫌いかなんてあんま関係ないんだよ。そういうのは付き合った後に考えればいいんだ。現にこの学校は、少し前は女子校だったんだ。男だけじゃなくて、女子だってそういう事に興味あんだよ……」    竜二が一瞬下卑た目つきをする。    が、出雲はそれには追求しなかった。    不意にチャイムが鳴り響く。    ――取り調べの時間は終わりだ。    犬飼竜二には、もう帰っていいよ、と告げた。  ナイフを引き抜き、彼を解放してあげる。    琥珀は遮っていた扉から退き、開けた。  出雲は、去っていく竜二の背中に声をかける。 「そうだ、竜二君。さっきキミが聞き耳を立ててたとき、僕たちの話は聞こえたかい?」    竜二は振り向き、首を振った。 「いや。壁越しだったから上手く聞き取れなかった。何か問題でもあるのか?」 「聞いてなかったらいいさ。さあ、授業に遅れるぞ。早く戻りたまえ」
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