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――復讐か、円城ま……ッ!!
相手の声は最後まで続かなかった。
円の剣が、相手の生命を絶ちきった。
「ひぃっ……!!」
「?」
ガタッと物音がする方に目をやると、怯えた人間が一人、教会から逃げていった。
追跡して殺そうかと、逡巡する。
「………………」
まあいい。どうせ小物だろう。放っといても問題ない。
円は男の死体に触れる。身体はまだ生温かく、鮮やかな血が溢れ、床を紅く染め上げていく。
剣を掲げると、鱗粉が吹き荒れ、男の死体を包んだ。
死体は銀の繭となり、円は左の拳を強く握りしめる。
途端、繭は粉々に砕け散り、銀の粉雪が周囲に舞った。
「………………」
パキン、と銀の欠片を踏み砕く。
恍惚な笑みを浮かべ、円は嗤った。
これで障害を一つ排除した。
『管理者』がいなくなれば弟を脅かす存在も減る。
だが皆無ではない。
まだまだ弟の脅威は存在する。
そいつらは排除し、消去しなければならない。
円が異端だと認識した輩は残らず殲滅しなければならない。
それが『円城家』の後継者である、円城円の役目。
円城蓮也の姉である、ワタシの存在意義――
「…………?」
ズキン、と頭が痛んだ。
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