第二章十一話

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「吸血鬼はね、古来より人間を娯楽の道具とする事が大半なんだ。  だが希に――翡翠のように人間である琥珀君と協力するように、吸血鬼と同調する人間がいるのは確かだ。  たいがい悲劇的な結末になるが、中には吸血鬼の力を悪用する輩もいる。  今回のパターンで考えられるのは二つ。  人間の協力者がいて、ドラッグを生徒間で広めた可能性。  アバターの使い手自身が、ドラッグを広めた可能性。  ……皮肉なことに、どちらも人間が関わっている」 「……だから水月と話して、ファントムが関わっているかを確認したのか?」 「それもあるが、彼は円城円の関係者だからさ。恋人関係にあったんだろう?」 「それは……、そうだけど……。それが何か関係あるのか?」 「あるさ」  断言した水月に、蓮也は訝しむ。 「いいかい? 今回の事件は身近な人間から発生している。クラスの担任である神堂水月、ファントムに殺された円城円の恋人であった彼ならば何かしら関係があると僕は踏んだ。だから直接会って真偽を確かめた」
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