第二章十一話

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「水月がファントムの関係者だっていうのかよ!? そんな……だって……!」    ――まさか、だって彼は姉の恋人だ。    幸せそうに円が水月を蓮也に紹介した。    ――その彼がファントムだと言うのか。  憤る蓮也に、出雲は「落ちつけ」と手振りで示す。 「だが違ったようだ。限りなく白に近いグレー、というが僕の判断だ。そもそもファントムが近くにいれば、琥珀君の中にいる翡翠が反応を示すしね」    出雲が琥珀に流し目を送った。  琥珀は頷き何故か出入り口の方へと歩く。 「?」    蓮也は不思議に思い、声をかけようとすると、出雲が「静かに」と人差指を立てた。 「……そうね。翡翠は神堂先生と接触しても何も反応がなかった。先生は無関係の可能性が高い――」    ガラッと扉を勢いよく開ける。    すると一人の男が「うわぁ!」と悲鳴をあげながら、資料室の中になだれ込んだ。 「――ッ!? お前……!?」    そいつは見知った奴だった。  クラスメイトである彼――犬飼竜二は、ぶつけた頭をさすっていた。
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