第二章十二話

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「…………チッ」    琥珀は忌々しそうに舌打ちして、竜二を手離す。    竜二はゲホゲホっと空気を肺に送りこむために喘いだ。 「大丈夫か?」と蓮也が声をかけ手を差し出すと、竜二はその手を払い、琥珀に激怒した。 「殺す気か! 頭おかしいんじゃないのか、テメエッ!!」    竜二の怒声に琥珀は一瞥するだけだ。    その眼光の鋭さに、竜二もたじろぐ。    竜二は『東ってこんな性格なの?』と言いたげな視線を蓮也に送る。    だが蓮也としては何も言えない。コメント出来なかった。 「まあ双方とも落ちつけ。――犬飼竜二君、だったかな? キミは僕に相談があるんだろう? そんな所にいないで、ここにかけてくれたまえ」    竜二が後ずさると、琥珀がツカツカと歩いてきて、扉を閉め、出入口を塞ぐように寄りかかる。    ギョッとなり、竜二は琥珀と出雲の顔を見比べる。    その両者の顔が告げている。『逃さないぞ』と。    竜二は諦め出雲の前に座るが、狼狽しているのは明らかだった。    ――竜二は何かを隠してる。ファントムにつながる何かを……。    出雲の取り調べが始まった。
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