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「な――ッ!?」
ガタッと席を立ち上がろうとする――が、出雲はナイフを作り、投擲した。
ナイフは竜二の制服を貫通し、椅子に突き刺さり、彼の身動きを封じる。
「さあ、落ち着いて話そうか」
仏のような笑みを浮かべ、出雲は言った。
竜二は戦慄し、椅子に座らざるを得ない。
「竜二君。僕たちはね、『普通』の人間じゃないんだ。キミをこのまま何の痕跡もなく消す事だって可能なんだよ?」
ポンッと片手で風船が破裂するような仕草を出雲はする。
「……お、俺をここで殺すって、いうのかよ……?」
「だからこそ、だ。だからこそだよ、犬飼竜二君。僕はキミに協力してもらいたいんだよ。
――僕は、いや、僕たちは警察の特殊組織に属している。キミが捜査に協力してくれるなら、キミのことは見逃してもいい」
「え?」
竜二が喜色を浮かべる。
琥珀と蓮也は互いに「何の話?」と顔を見合わせている。
出雲は二人に目配せをして『任せておけ』と合図を送る。
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