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その日はたまたま昼休みに職員室に呼ばれていたから、クラスの子と昼食を食べてすぐに別れた。
先生の用事は大した事じゃなくあっという間に解放されて、残った休み時間をどう過ごそうかとフラフラ廊下を歩いている時。
「……っ!」
窓の外に、天使が居た。
天使は中庭の花壇の前に体育座りをし、膝の上に広げたスケッチブックに鉛筆を走らせている。
時折柔らかくふわりと微笑むその姿に、俺は呼吸も忘れて見入っていた。
何あの子、超可愛いんだけど。
それが、俺が初めて恋に落ちた瞬間だった。
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