王道大嫌い

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姫とは演劇部で女役中心に演じているからだ。 この水乃高校(男子校)はとにかく演劇部が有名だクオリティが格段に違う さて、それは置いておいてこの目の前の状況をなんとかせねば…… どうしたら見逃してくれるかなぁ なーんて考えていると 「……時雨君?」 お、聞き慣れた声 「あー!誉さーん!」 向こうから眠たそうに登校してくるのは副会長。 昨日の人だ これは渡り船だと思って急いで駆け寄って抱き着いてみた 王道バ会長から助けて下さいと全力で目で訴えた 「こら、公衆の面前で抱きつくなと前から言っているでしょう……それよりどうしたのです?」 少し照れながら今の事態を聞いてきた 「聞いてくださいよー、会長が僕にセクハラするんですぅ~」 もちろん嘘っぱち 「なんですって!?」 とも知らず副会長はじっとり会長を睨む 「ほ、誉待て!誤解だ! オレ様はただそいつの髪を注意しただけだ」 あ、そういえばという顔をした 「今日は抜き打ちの服装チェックでしたね」 副会長はゆっくり会長から僕に目線を移し、にっこり微笑んで 「副会長権限で許します」 やっほい! 「やった~誉さん大好きー!」 「こ、こら!」 頼りになる幼馴染みをもって幸せだと頬をすりすりしている僕の頭を満更でもなさそうに撫でる誉さん 会長がプルプル震えて僕達を指さした 「ほ、誉が手袋を外して他人に触れているだと!?」 唐突なことを言われはてなマークを浮かべる 「?、そうなんですか?」 「えぇ。時雨君以外には手袋なしでは触れられませんね」 誉さん潔癖だったんだ…… 思い出してみると抱かれる時にも 手袋はしていなかった 結構好かれているようだ
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