第1章

14/16
前へ
/17ページ
次へ
前じゃないか、サーシャはボクが自ら鍛え上げた殺人装置だよ。まぁ、死んでしまったのでは何を言っても無駄だね。また、一から造らなくちゃいけないのか、面倒だな」 人を壊れた道具でも扱うようにあっさりと見捨てながら、タトゥーの男に微笑みかける。 「頬に動物のタトゥー、そしてその変装術、どこかで聞いたことがあると思えばスモッグのメンバーだったわけか、なら納得だな、そこらのチンピラ程度では相手にならないわけだ」 暗殺組織、スモッグ。霧のように実態を持たずメンバーの人数もいっさい不明、噂にスモッグのメンバーは特殊な変装術を持っており、誰にでもなれる。文字通りの煙のように自由自在に姿を変えるため誰も本性を掴めない。今、ここにいるタトゥーを頬に刻んだ男だって本当の顔かどうか確かめる術はない。時にはピエロになり、時には覆面の旅人になり、時にはタトゥーの男、また、他人になりすますこともできる。 「よく喋るな、自信がないのか?」 「おしゃべりが好きなんでね」 と言いながらテーブルに隠されたスイッチを押す、暗殺者、対策ようのトラップが作動し、男を狙うが最初から知っていたかのように避けてしまう。 ボスもそれを承知だったのだろう。銃の引き金を引き発射、弾丸が男を狙うが弾道を呼んで避けつつ、前進し懐から細長い針を取り出し、ボスに向かって投擲。 銃を構えたまま、ボスが針を避けながら迎撃、数発の弾丸が床を抉るが、男には届かない、たえず動き回りながら狙いをかき乱し、投擲した針を投擲し壁に突き刺し、両手を交差させた。 ボスはとっさに地面にしゃがみ、ナイフで虚空を切り裂く、プチッと微かな音が聞こえ、極細のワイヤーが地面に落ちる。男は針を投擲すると同時にワイヤーを部屋に張り巡らせ、ボスの首を切り裂こうとしたのだ。 策が見抜いたても、男はためらうことなく進む。懐から取り出したナイフでボスに斬りつける。ボスが銃口を向け、接近、そして一閃、弾丸が男の頬を裂き、ナイフがボスの右肩を裂くが、それでは終わらない。男がさらに追撃を加えようとナイフを振るう、しかし、ボスはナイフをぶつけ、即座に引き金を引くと装填を完了、発射。 ボスのナイフをはじきながら、男は早打ちをギリギリで避けるが姿勢が崩れたところをボスの拳が男を打つ。 重たい一撃に視界が揺らぐ、両足を踏ん張りながらボスを睨みつけるが、ボスは微笑みかけてくる
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加