遷都1700年に舞う花火

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俺が返事できたことに安堵したのか、ゆっくりと目尻の力を抜いていく奈都。 「もう大丈夫やろ?」と言っているような眼差しをこちらに向けると、俺に最後の檄を飛ばした。 「顔どろどろになっても可愛いやろが!! わかったらシャンとして、最後までしっかり花火打ち上げっ!!」 奈都の声が届いた瞬間、驚くほどに脳の隅々から痛みという痛みが引いていく。 けど、Neoの存在はまだはっきりと色濃く感じていて。 脳内に止まったままなのに攻めぎ合うわけではなく、自分の細胞が、Neoを吸収していくような感覚。 互いに融合して、共存しているような……。 あー、これが。 完全にシンクロするってことなんか。 初めて見えた、Neoを使いこなすものだけが知りうる事実。 その感覚を体に覚え込ませて、再び両腕を大きく開く。 中断していた、ステージの再開。 今なら……どんなに実現不可能だと思えた花火も、自由自在に打ち上げられる気がした。 俺の動きに合わせるように、奏でられていく音響を背中に感じながら、すっと両目を真っ暗になった夜空へ向ける。 この無限に広がる空を駆ける光をイメージして、目を閉じる。 始めよう。 これが………… 俺がずっとやりたかった、本当のNeo花火――。
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