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「……なんか言えや。」
黙られたら余計に恥ずかしいやんけ。
ますます全身を痒くしていると、まだ頬に赤みを残したままの奈都が、訝しげな視線を寄越してくる。
「なんやねん。安定剤って……。そんな言葉じゃわからん!はっきり言いや!!」
噛みつく勢いで追求されて、今度はこっちが石になる。
は、はっきり言えって……。
あ、あのな!!
「え、ええねんな?はっきり言って。」
「い、いいって言ってるやん!はよして!喉乾く!!」
よくわからん会話を一通り終えて、ごくりと喉を鳴らす。
なんやこれ?
花火の前より余裕で緊張すんねんけど。
「お、俺……」
言いながら尋常じゃないくらい顔が熱さを増していく。
あ、あかん。
茹で死ぬ……。
もうこうなったら勢いやと、息を吸ったタイミングで捲し立てる。
「――――っ、俺と結婚してくれ言うてんねや!!
お前のこと……絶対武瑠より大事にしたる!!」
ぼっと発火する俺の顔。
マジでこれ、脳障害起こすレベル。
「あ、アホ!!……声でかいねん!!みんな見てるやん!!」
思いの外、大きくなりすぎた俺の音量に慌てる奈都。
……いや、俺も慌ててるけどな!!
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