15人が本棚に入れています
本棚に追加
「だったらさっさと返事せぇや!俺かてハズいわ!!」
俺と奈都を遠目から取り巻く野次馬の中に、自分の母親の姿を見つけて、もういてもたってもいられなくなる。
そうやって急かしているうちにやっと心を決める奈都。
「……ええよ。
って言おうと思ったけどやーめた!!
やっぱもうちょい保留にしとく!!」
は?
「はぁ?
おまっ、こんだけ大勢の前で告らせといて……なんじゃそりゃ!?」
怒りを露に抗議すると、まだ赤い顔で口を尖らせてくる。
「だって武瑠ちゃんの返事もまだしてないし!今は大和の花火の後で興奮してるからアレやけど、時間たったらわからんやん?
それに、今オーケーしたら、大和、Neoの練習サボりそうやし。」
もっともそうに理屈を並べる奈都に目を点にしていると、今度は悪戯に見上げてくる。
「せやから、もっと大和がNeoで有名になって、いい男になったら結婚したるわ!!」
きっぱりと言い切られて、完全に固まっていると、ぶはははと豪快に腹を捩った母親が、求婚ショーに乱入してくる。
「あはは、大和断られてやんのー!おもしろっ!ほんなら切りよく振られたところで、みんなで打ち上げ行こか!!」
最初のコメントを投稿しよう!