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「……なんやの?対物具現化って。」
渋々俺の指の先に焦点を合わせながら、つまらなそうに呟く奈都に、しゃーなしで説明する俺。
「実際に存在する自然物人工物を復元する能力や。俺が練習してたんお前も見てたやろが。」
んー?っと天井を仰いだ後、「ああ」と気の抜けた声を漏らすと、ふんと鼻を鳴らされた。
「……あの花とか羽とか、チマチマしたもん出して飛ばすやつやろ?めっちゃ小技やん。」
「小っ……!?って、お前な!!」
その小さいもんほど正確に再現するのは難易度が高く、高得点を叩き出すのは至難の技になる。
実際に、現役のNeo花火師でも対物具現化に特化した技師は少ない。
だからこそ、その分野を得意とする俺の需要も増すっちゅーのに、この言い種。
一発言うてかましたろと勢いづいたところで、口の達者な奈都が一足早く先手を打ってくる。
「それに、Neo花火言うても基本は『花火』やろ?そんな近くで見なわからんような演出より遠くから見ても映える大技のが需要あると思うけど。その大技を安定して決められる人が一流になれるんちゃうん?」
「…………!」
ズバッと痛いところを突かれて、ぐうの音も出ない。
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