遷都1700年に舞う花火

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「で?その肝心の大技の評価はどこに書いたんの?」 「!!」 うっかり黙りこんでしまったところで、攻撃の手を緩めることを知らない奈都が、ぐいぐい攻めてくるから。 慌てて試験結果を奪い取った。 「もうええやろ?合格は合格や。 お前、もう帰れや。俺、これから構成考え直さなあかんねん。」 余計な突っ込みを入れられる前に、さっさと追い出すことに躍起になる俺。 ちなみに、試験の評価はEからSSまでの7段階で数値化され、個々の合格最低ラインはCでギリギリ。 総合得点が平均A以上となった場合のみ、晴れてNeo花火技師の資格を与えられる。 ……で、俺の大技の評価はBで安定性はC。 うん……、まじで小者感が否めない。 「なぁ、構成考え直すて花火の?……打ち合わせで何か言われたん?」 俺が自分の技師としての評価にひとり凹んでいる間に、今度は花火大会の内容に首を突っ込んでくる奈都。 とりあえず話題が反れたことに胸を撫で下ろして、真面目に質問に答える。 「おー。……鹿、出してほしいらしいわ。」 「は?鹿?……って、あの鹿? それって、奈良でやるから……やんな? 奈良やから鹿出せとか!!なんぼ安直やねん。」 俺と全く同意見の奈都の怒号に、乾いた笑いが漏れる。 「県外からの観光客喜ばすのに鹿がいいんやと。まぁ、大仏出せ!言われんかっただけマシやな。」
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