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数日前、俺がNeo花火技師試験に合格した翌日に、県の方から花火大会開催の依頼が来た。
現在奈良県では平城遷都1700年記念式典を行っている。
これは、遡ること西暦2010年に平城京の遷都1300年の節目の年を記念して、県をあげて大々的に数々の記念事業を行ったことを発端としている。
最初の事業では、大極殿を復元するなどの大掛かりな建造や、様々なイベントが開催された。
それから100年毎に、初回ほどの規模はないにしろ、節目に相応しい式典を執り行ってきたらしい。
そして5回目となる今回のイベントでの大取りを、是非地元から出た初のNeo花火技師である俺に任せたいという依頼が、降って湧いたように浮上してきたのだった。
「ほんならプログラム変更せなあかんやん。ちゅーか、大和。鹿なんか出せるん?」
「……やったことないからわからん。とりあえず、今晩から練習する。」
俺の返事に目を輝かせる奈都。
「ほんなら私も付き合ったるわ!ちゃんと出来てるか見てくれる人、必要やろ?」
俺の為……みたいな口調で恩着せがましく提案してくるも、結局口実だってことくらい長い付き合いで理解してる。
なんだかんだケチつけてきても、結局奈都もNeo花火が好きやからな。
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