第二章

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「人魚姫、この短剣で王子を刺しなさい。そうすればあなたは助かるわ。」 1番上のお姉様に言われた。 この短剣は海にすむ魔女からいただいたもの。 お姉様達の綺麗な長い髪との交換で。 そこまでして私を助けようとしてくれるお姉様達の気持ちが嬉しかった。 でもね、お姉様? 自分の好きな人を刺すなんて出来ないの。 だってこの人は、私が人間になりたいと願ってしまうほど、私の心を奪ったのだから。 たとえ彼を刺して私が助かろうと、彼のいない世界なんて生きていく意味を見出せないの。 だから、ね。 自分勝手な妹でごめんなさい。 今まで愛してくれて、ありがとう。
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