黒曜

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☆逢学以前→逢学☆ 烏天狗ではなく、カラスが人化したやつ。 普通のワタリガラスだった黒曜は種族の中でも異質で、人語を理解してしまう位に人間に興味を持っていた。 もっと近づきたい。 人のように生活してみたい。 いつしか、そう思うようになっていた。 カラスの姿で、学校の授業やら講義やらを覗いたりすることもあったらしい。 そんなある日、黒曜は路地裏にて偶然、落ちていた赤い石のブレスレットを見つける。 それを、足で抑えた瞬間。 体を襲う違和感。 高くなった視界。音や匂いの感じ方の違い。 翼を広げてみるが、目に映ったのは、黒ではなく、焦がれていた肌の色の、腕で。 ようやく、自分が人の姿になったことを理解した。 その変化に驚いて、手首についていたブレスレットを外すと。その瞬間、元のカラスの姿に戻ってしまった。 どうやら、このブレスレットには何か不思議な力が働いているらしい…。そしてその力は、ブレスレットに触れた瞬間に発揮されるものであると。 その仕組みを理解した黒曜は、ブレスレットを上手に使いわけながら、人の生活に徐々に溶け込んでいった。 元々好奇心が旺盛だったため、学ぶことが好きで。 カラスってことがバレないよう、マナーを身につけるなど、彼なりに色々気を遣っている。 知恵を身につけたら、当然の流れで男と女の営みにも興味を持つわけで…。 女も男も見境なく、一夜限りのお付き合いを何度ともなく交わしていたという(笑) 逢学には、咥えて飛んでいたブレスレットを不注意で落としてしまい、追いかけていった先がこの場所だったという感じで!
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