1人が本棚に入れています
本棚に追加
☆逢学以前→逢学☆
烏天狗ではなく、カラスが人化したやつ。
普通のワタリガラスだった黒曜は種族の中でも異質で、人語を理解してしまう位に人間に興味を持っていた。
もっと近づきたい。
人のように生活してみたい。
いつしか、そう思うようになっていた。
カラスの姿で、学校の授業やら講義やらを覗いたりすることもあったらしい。
そんなある日、黒曜は路地裏にて偶然、落ちていた赤い石のブレスレットを見つける。
それを、足で抑えた瞬間。
体を襲う違和感。
高くなった視界。音や匂いの感じ方の違い。
翼を広げてみるが、目に映ったのは、黒ではなく、焦がれていた肌の色の、腕で。
ようやく、自分が人の姿になったことを理解した。
その変化に驚いて、手首についていたブレスレットを外すと。その瞬間、元のカラスの姿に戻ってしまった。
どうやら、このブレスレットには何か不思議な力が働いているらしい…。そしてその力は、ブレスレットに触れた瞬間に発揮されるものであると。
その仕組みを理解した黒曜は、ブレスレットを上手に使いわけながら、人の生活に徐々に溶け込んでいった。
元々好奇心が旺盛だったため、学ぶことが好きで。
カラスってことがバレないよう、マナーを身につけるなど、彼なりに色々気を遣っている。
知恵を身につけたら、当然の流れで男と女の営みにも興味を持つわけで…。
女も男も見境なく、一夜限りのお付き合いを何度ともなく交わしていたという(笑)
逢学には、咥えて飛んでいたブレスレットを不注意で落としてしまい、追いかけていった先がこの場所だったという感じで!
最初のコメントを投稿しよう!