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ここ、武島高校は、昔…理系と文系で校舎の場所が違っていたらしい。
生徒数が多かったため(今も十分多いが)、理系生徒の為に別校舎を文系校舎から離れた場所に建てたのが始まりだとか。
今ではほぼ別の学校として成り立っている。
元文系が武島、そして理系の方が武島東。
今でもある程度の関わりはあるが、まさか彼らもこの『アビリティ・ロワイヤル』に参加しているとは…
純粋に、自分たちだけが参加していると思っていた。
周囲には他の人間などいなかった。
だから、てっきりそうなのだと思い込んでしまってはいたが…
その安易な想像は、来襲した二人によって否定されたのである。
「なにしに来たって言われてもなぁ。
俺らは別に戦いをしに来たんじゃないで。単に戦線布告をしにきただけや。」
板丸と飛騨が呼ぶ武島東の生徒は告げる。
「戦線布告?」
長道が異論を投げかけた。
「そう、戦線布告や。今から数時間もすればあんたらの所に100人くらいで攻めに行くからその事前の通達ってこと。」
突然の戦闘の告知。
数時間後にはもう新たな敵と戦わねばならない。
それに100人の軍勢だと。
人数が違いすぎる。
向こうではここの武崎のような暴れまわる奴はいなかったってことか…?
それにしても多い。この人数で太刀打ちできる数ではない。
こんなの宣戦布告とは言えない。死刑宣告じゃないか。
「目的は何だ。何か俺たちがしたというのか!」
飛騨は二人に問いかけた。
こちらと奴らは飛騨を除き初対面。
確かに攻められるようなことをした覚えはない。
その問いに武島東の生徒は苦い顔で答えた。
「こっちも今まで大変やってん。色々な奴が好き勝手暴れまわっとって。
で、やっと神田って奴ががそれをまとめ上げた。
でもいつ内乱が起こるか分からへん。
そんな時にあんたらに攻められたら混乱して収集つかへんやろ。
だから早めに危険な芽は摘み取っとくことにしたんや。」
危険な芽を摘み取る…?
俺たちが危険な芽だっていうのか。
こんな人数で一体何ができるというんだ。
そんな滅茶苦茶な口実で殲滅するだと?
道理がねじ曲がっている。
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