プロローグ

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ー15年前ー 「そっちに行ったぞ! 奴を逃がしちゃならねぇ!」 薄暗い叢を慌ただしく走る足跡が一つ。 それを追いかけるは、複数の雑踏。 時は夕刻。 陽は傾き、今にも山際に触れようとしている。 逃避。 白い長髪をたなびかせ、肌白の少年は逃げていた。 対して、追いかけるは7人の少年少女。 彼らは知っているのだ。 ここで彼を倒す事が出来なければ、即ち今度狙われるのは自分達だと言うことを。あと数刻も経てば、辺りは漆黒が支配するだろう。 そうなれば、追跡は不可能に等しい。 逆に、逃げる彼にとっては、奇襲を掛ける絶好の機会となる。 生存競争、と言うべきか。 彼らには、どうしても生き残らねばならない、いや、彼を殺さねばらならない理由があった。 「迫波(オーラ・レイ・)追跡閃(ホーミング)!!」 一人の少年が技の名を叫ぶ。 すると彼の背後から、煌めく熱線が、無数に発射された。 直線的に近づいていく光の束。 白髪の少年は、舌打ちをする。 あれは、追尾弾。 避け続ければ、いつかは奴らに追い込まれてしまう。
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