盛った化け物

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盛った化け物

ある日俺が一人で夜道を歩いていると、 突如見た事も無い化け物が襲って来た! 「グオオオォ!」 「うわー化け物だあぁあぁ!」 俺が悲鳴を上げると、 何故か化け物は襲うのを辞めて、 獣じみた咆哮でなく人間の言葉を話し始めた。 「ちょっとちょっと!化け物て何? 俺そんな抽象的な表現されたくないんですけど~」 「じゃあ何だ?怪物?妖怪?」 「だ~か~ら~!抽象的な言い方するなって言ってるでしょ! もっと具体的に言ってよ」 「じゃあお前何なの?そこまで言うなら自分で説明しろよ」 化け物は自分を長い鈎爪が生えた指で指差し、 前屈みだった姿勢を正して胸を張った。 「俺は未来の異次元の宇宙の惑星の古代遺跡から終末の予言通り、 週末行ったカルト教団が特殊相対性理論を魔法に応用して、 皆既日食の日の禁断の儀式で蘇った、 山奥の村を襲い田畠を荒らして生贄を要求して姫をさらい、 倒すには伝説の宝剣が必要な古代の更に別次元の、 神に逆らった堕天使が天界戦争で選ばれし勇者に敗れて、 天国から地獄に落とされてなった悪魔のモデルになった地底の宇宙人の負の怨念の集合体のボスが錬金術師に命令して、 ペット用に絶滅した鳥の先祖の肉食恐竜の血液残った琥珀の蚊から抽出した、 遺伝子を操作して作ったクローンに哺乳類の遺伝子も組み込んで生まれたが、 軍事用に最新鋭の機械を埋め込んでアンドロイドぽいサイボーグにした、 現生宇宙人の大多数には妖怪と恐れられたり、 神とも崇められ妖精とも呼ばれる未確認生物UMAだがUFOや普通の飛行機にも変身出来て偽映像作られたりとオカルト扱いだが、 知能高いから怪獣でなく怪人と思っている怪物の幽霊だ! 心霊写真に写りこんだり霊媒師に降霊もしてエクトプラズムとして出て、 コックリさんにも狐を押し退けて乱入もしているが、 盛り塩でなく盛り砂糖で溶けるし、 結界を破って陰陽師の式神や、 坊主の護法童子と高野山で毒爪ドリルミサイル飛ばして攻防繰り広げてもいる」 「あーもう!お前設定盛り過ぎ!わけわからん! もう化け物でいいや!」 「だから俺はそんな抽象的な呼び方でなく具体的な・・・・・」 「じゃあもうお前五月蝿いからウルサイダーて名前で決定! はいもう設定の話はおしまい!」 「ウルサイダアァアァアァア!?」 その後ウルサイダーはウルサイダーと叫ぶだけの、 五月蝿い妖怪として後世に語り継がれる様になったとさ。 めでたしめでたし
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