恐るべきひと

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  「……だったら、 体の方に訊いてやろうか」 「……」 「忘れてるなら、 もう一度思い出させてやる。 ちょうど俺、 ひと仕事終えてテンション高いしな」 熱く尖った声とは、裏腹に。 拓海さんはあたしに ゆっくりとのしかかると、 口唇を塞ぎながら 抱きすくめてくる。 さらさらのシャツに 抗うようにしがみつきながら、 太ももで何度か、 拓海さんの昂ぶりをかすめるように 感じて。 ああ、 もうどうなってもいいなぁって。 17歳のあたしが、 息を吹き返してくるのを感じていた。 .
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