恐るべきひと

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  「どうして。 お前、感じただろ。 ……俺の声で」 「……!」 露骨な辱めに、身体が強張る。 思わず膝と膝をすり合わせると、 TAKUMIはクッと低く笑った。 「いい加減、認めろよ」 「何をですか……」 「お前、 俺のこと欲しくてたまらないはずだ」 ひゅっ、と呼吸が止まる。 ……どうして判ったんだろう、と。 頭では、逃げ出したいくらいの 危機だと判っているのに。 あたしの真ん中に空いた 大きな穴が、その通りだと声を上げる。 それを隠したくて、 せめて彼の視線から逃れたくて俯いた。 「何をバカな……」 .
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