恐るべきひと

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  顎を掴まれて、 そらそうとした視線を 無理に繋がれる。 「……そういう反応をするように、 俺が教えた」 「あれから何年経ってると 思ってるんですか! 自惚れないでください……!」 「自惚れる? 人聞きの悪い。 お前は、どこまで男をバカにするんだ」 「バカにしてるのは、あなたです!」 声を張り上げて逆らいでもしなければ、 さっき死ぬ気でこらえた涙が あふれ出してしまいそうで。 「捨てたり、気まぐれに構ったり、 何なんですか!? 女は…… あたしはあなたのオモチャじゃない!」 「誰がんなこと言ったよ」 .
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