恐るべきひと

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  いつまでもメモを離さないあたしを、 RYOJIさんやKE-TAが フォローしてくれたり。 ……九鬼さんにちょこっと 不安げな視線を向けられたり、 する。 これでは駄目だと判ってるんだけど。 ──CDをさらって 聴いていくのが怖いとか、 そんな泣き言、誰に言えるんだろう。 薄々勘付いたらしいKE-TAが、 眉を顰めながら 「俺らの音楽、キライ?」 なんて訊いてきた。 いいえ、そんなわけありません。 むしろちゃんと聴きまくりたい。 自分の心からの、 熱のこもった言葉で “Raison d'etre”を推していきたい。 聴くのが怖いのは……TAKUMIの歌声だ。 .
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