恐るべきひと

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  拓海さんは、囲う大人達から 色々な遊びを教わる。 彼が気に入った遊びは、 またあたしに伝わる。 あの頃はそうして毎日 少しずつ娯楽が増えていった。 拓海さんから教わった煙草を そのままあたしも選んでいたのは、 もちろん。 ……彼のキスの味だったから。 パーラメントを咥えていれば、 拓海さんと会っていない時でも 頭の中がほわほわと やわらかく溶けた。 ……それがあたしの ささやかな自慰だったように思う。 なんて頭の悪い子だったんだろう。 あの年齢で夜のオンナの嗜みのような 慰みを覚えなくたって よかった気がするんだけど。 .
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