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真っ黒くボサボサでモサモサの痛みまくった太い毛の髪に、牛乳の瓶の底みたいな厚さのレンズに何故かグルグルの柄があるまん丸の眼鏡。
毬藻……
いや、それだと毬藻が可哀想だ。
不審者?埃?毛玉?
例え始めるとキリがないけど、決していいものではないのは確か。
彼を表現できる言葉は全ていいものではない。
声も馬鹿みたいに大きいし、時々唾飛んでるし…髪の毛と眼鏡でよく見えないけど、すごくニコニコしてて…
「おい、雷鬼!お…ぼくの席は何処だ、です!!」
担任を名前呼び?しかも幼稚園生でもありえないような辿々しい敬語。正直聞いてて不快。
担任の名前は吉城 雷鬼(ヨシギ ライキ)。
因みに僕の名前は瑞之 楓(ミズノ カエデ)で、2-Aに通っている親衛隊総隊長。
日頃あまり外に出ないおかげで痛みが少ない黒髪に、ぱっちり開いた黒目。
不服だが、身長は平均より結構小さい。
皆はよく、僕のこと可愛いって言う。僕もそれはなんとなく自覚している。
自分がどれぐらいいい顔を持っているのかはよくわからないけど、悪くはないはず。
でも、友達がよく言う、『萌え』の意味はよくわかんない。わかる気ないけど
その友達は僕の知らないこと沢山知ってるんだけど、ちょっとテンションが可笑しいんだよね。
「うぉおおお!王道きったぁあああああっっ!!」
……急に叫びだすし。
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