3人が本棚に入れています
本棚に追加
恐怖に怯える月子の右目に、
卓袱台の銀縁メガネが反射し、
「そうだったー」
「なんだー」と、
極度に感情を押し殺したような声であったが、
悪夢から解放されたかのように安堵した。
情けない話だが、
コンタクトレンズは超音波洗浄機の中で、
明日の闘いに備えていた。
月子はメガネに手を延ばした。
司会の嵐のメンバーが、
今回で紅白引退のサブちゃんの満面の笑顔が浮かび上がり、
白組の35回目の勝利を知った。
「めでたし、
めでたし」
「よかった! よかった!」と、
耳打ちするかのように囁いた。
紅組は物心がついた頃から生理的に嫌いだ。
最初のコメントを投稿しよう!