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「同じ女性でしょう! 女の風上にも置けない奴!」と、
誰かに敵対されようが目角を立てられようが構わない。
アイドル女性歌手の愛想笑いや派手なパフォーマンス、
大物演歌歌手の空涙には、
虫唾が走る。
我慢の限度をたびたび越してしまう。
理由は簡単だった。
月子にはどう頑張っても真似できない芸当だと知っているからだ。
極端な言い方をするなら、
「ねぇー」とか、
「甘えていいー」とか、
鼻にかかった甘ったるい嬌声をだして、
酔った勢いで色目を使ったり足を組みかえたりして男性を挑発できるタイプとは程遠かった。
女性ホルモンの分泌が上手くできない保守的体質を備えていた。
月子は卓袱台の携帯電話を握り、
「そろそろだな!」と、
カウントダウンスタートした。
スリー、
ツー、
ワン、
ゼロ
♪ピィピィピィ ピィピィピィ♪
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