第1章

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 激しい交わりの合間、 互いの肌を確かめるようにそっと手を這わせ、 寄り添いながら。 「ええ。 紫の上の具合が、 なかなか良くならないらしくて。 もうずっと、 向こうに行ったきりよ」 「そうか……」  柏木はわたくしを抱き寄せ、 少し掠れた声でささやいた。 「こうなると、 紫の上の病がもっと長引くよう、 祈りたくなるな」  わたくしは無言でうなずいた。  他人の不幸を願うなど、 わたくしはなんて怖ろしい女になってしまったのだろう。  紫の上の病が長引くのは、 もしかしたらわたくしのこの想いのせいかもしれない。 ふと、 そんな考えが頭をよぎった。
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