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かつて源氏の君の愛人が、
自分でも知らないうちに生き霊となり、
ついに正妻を憑り殺してしまったように、
わたくしもまた、
柏木との不義の恋を続けるために、
無意識のうちに紫の上に憑りついて、
彼女を弱らせているのではないか、
と。
たとえそうであっても、
願わずにいられない。
柏木と抱き合うこの時間が、
一日でも長く続くようにと。
この恋がわたくしを変える。
罪を犯しても恥じ入ることもなく、
他人の病を喜ぶような怖ろしい女に。
そして、
源氏の君をも目の前で平然と欺ける、
狡く、
ふてぶてしい女に。
わたくしはそんな自分の変化すら、
驚きながらも心のどこかでひどく楽しんでいた。
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