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「その時はおまえが、
また上手に言いくるめてくれるのでしょう? 意地悪婆さんたちを」
「紗沙さま!」
「ありのままに言えばいいのよ。
わたくしは大嫌いな源氏の君の顔を見ずに済んでいるから、
とても機嫌が良いのだって」
それは事実だ。
鵜の目鷹の目でわたくしを見張る女房たちにとっても、
格好のうわさ話のたねになるだろう。
そしてそのうわさが、
わたくしたちの真実を覆い隠してくれる。
「ねえ小侍従。
おまえには感謝しているの」
困り果てたようにうつむく小侍従に、
わたくしは言った。
それは、
単なるなぐさめやお愛想ではなく、
わたくしの本心だった。
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