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唐猫はすっかり紐に絡まってしまい、
御簾の横でもがいている。
でも、
女房たちはまだ誰も気づかない。
庭の若者たちも蹴鞠に夢中で、
室内を振り返る者はいない。
まるで時間が停まってしまったように思えた。
わたくしは、
身動きひとつできなかった。
まばたきするのさえ、
惜しかった。
全身がまるで川底の砂みたいに砕け散り、
柏木のほうへ一気に押し流されていくみたい。
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