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高貴な女が立って歩くのは、
ひどくはしたないこととされている。
けれどわたくしは立ち上がり、
精一杯背伸びして、
御簾の向こうを眺めずにいられなかった。
女房たちも蹴鞠の見物に夢中だ。
誰もわたくしの行儀の悪さを咎める者はいなかった。
やがて柏木は、
蹴鞠の輪からすいと抜け出した。
いかにも、
息が切れた、
一休み――というような顔をして、
母屋の階に腰を下ろす。
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