第1章

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 これより文を、 出入りの商人に託します。 さすがに殿方の出入りのない台盤所は、 監視の目も行き届かないのです。  今はただ、 この手紙が無事に小侍従さまのお手元に届くことだけを、 祈っております。 どうぞみなさまに、 み仏のご加護がございますように――。
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