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年令は夕霧とさほど変わらないものの、
親の七光りで何の苦労も知らずに出世してきた彼らは、
早くから宮中の荒波に揉まれ、
実力で昇進を掴んだ夕霧とは、
肩を並べるべくもない。
上位にある髭黒大臣は夕霧と玉鬘にうまく手綱を握られ、
皇統源氏の言いなりだ。
夕霧と対抗できるのは柏木だけだったのだ。
早くも内裏は次代の勢力地図が定まってしまったと、
そんなうわさが流れていた。
間違いない。
皇統源氏は勝利をおさめ、
藤原一門は敗北したのだ。
勝者の権限として、
この犯罪は完全に覆い隠された。
――けれど、
なぜ?
勝者と敗者の図はわかる。
でも、
なぜ柏木は殺されなければならなかったの!?
なぜ。
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