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誰が、
ではない。
それはもう、
疑いようがない。
疑問はただひとつ。
「なぜ」。
わたくしと密通したことを裁かれたのか。
――そんなはずはない。
たしかに他人の妻を盗むことは罪だけれど、
源氏の君にそれを裁く資格はない。
帝への入内が決まっていた朧月夜と密通し、
彼女が尚侍として出仕したあとも、
ずるずると禁じられた関係を続けていた彼に。
第一、
不義を罰することが目的なら、
なんで試楽の宴などという派手な舞台を選ぶ必要があったの。
もっと目立たぬよう、
ひっそりと柏木の命を奪うこともできたはずなのに。
そしていまだに、
わたくしになんの罰も与えられていないのは、
何故?
では、
廟堂での争いの結果?
柏木は手紙に書いていた、
必ず源氏の君に勝ってみせる、
と。
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