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内裏での闘いに決着がついても、
勝者は敗者の生命までは奪わない。
官位を剥奪し、
遠い辺境の地へ追いやるだけ。
それが今のやり方なのに。
もしも生命まで奪ってしまったら、
死した敗者の魂が怨霊となり、
勝者に祟ってしまうから。
人の身を苦しめる病も不幸も、
都を襲う天変地異さえ、
すべては怨霊のしわざだとされる。
源氏の君は、
柏木の怨霊も恐れはしないということ?
いいえ……もしかしたら。
ふと、
かつて柏木が言っていたことが思い出された。
源氏の君が須磨へ落ちるころ、
当時まだ東宮だった冷泉さまについて、
妙なうわさが流れたと――。
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