第1章

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 怨霊の祟りで出産が一月以上も遅れるなんて、 そんなことあり得るはずがない。  祟りや呪いに怯えるあまり、 妊婦が疲れ果てて早産してしまい、 子供を死なせてしまうというのなら、 まだわかるけれど。  なにも知らないころだったら、 わたくしも、 そういうこともあるかもしれないと怯えていたかもしれない。 けれど実際に自分が身ごもってみれば、 そんなことがあり得るはずがないと、 はっきり断言できる。  だって、 わたくしのまわりでどんなことが起ころうとも、 お腹の赤ちゃんは日々確実に、 成長し続けているのだもの。
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