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「あつーい、」
頬を赤くしたともの代わりに後ろから髪を乾かしてやり。
後はのんびりとソファに腰掛ける。
以前なら割とド真ん中に座っていたんだが、最近はここ、ソファの肘かけに腕を置く。
そうしたらともが、このひじ掛けの前にちょこんと座るから。
俺はその頭に手を伸ばし、髪を弄ぶ。
テレビに視線を注ぐともは気付かねぇんだろうな。
俺がこうして頭を撫でながら、お前の横顔に視線を送ってるなんて事。
ポン、手をのせれば、軽く目を閉じてそれから頬を緩める。
髪を一房持ちあげれば、視線を頭上に上げるようにしてほんの少し肩を持ち上げる。
つまんだ髪をふわりと落とせば目を伏せて、よけるように撫でつければ今度は嬉しそうに目を細める。
とものその仕草ひとつひとつが可愛くてしかたねぇ。
「好き過ぎっ」
呟かれた言葉に俺も密かに胸を鳴らし。
だが、余裕な顔を作るとともの頭へ手を置いた。
「ん?悶絶するほどアレ食いたいのか?」
「え、あ、えっと、うん!」
慌てて振り返ったともは思い切り視線を揺らして返事するから。
なぁ、とも。
俺はいつだってお前をちゃんと見てるんだよ。
そう思うと、ともの慌てた反応が可愛すぎて笑えて来る。
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