左大臣家の三の君。

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辱しめを受けた気分だ。 少納言に単を剥かれて、藤壺女御には単を強制的に着せられ。 二刻もの間それが延々と繰り返され 精も根も吸い付くされた気分だ。 結局決まったのは牡丹の襲だ。 牡丹の匂では華やかさがかけるとかなんとか少納言が言って襲になった。 その違いはどうでもいい、と言いたかったが言ったら怒られそうだったので言わなかった。 「お美しいです。」 両手を重ねて顎の辺りにそえてうっとりとしている少納言。 「…ありがとう。 行くわよ。」 「はい。」 淑子の後ろには大勢の女房が並んだ。
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