左大臣家の三の君。

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例えば、ある日仕え初めて間もない若い女房が洗髪後の淑子に 淑子が洗髪し終わった水の入ったものを端につまづいて頭からかけてしまった。 この時淑子はあっけらかんと笑い 『いいのいいの、さっきまで私の髪を浸けてたのだから大丈夫でしょう。』 もはや大雑把ともとれる竹を割ったような気性。 内裏にて恥をかかせないためにもきっちりと躾なくては 「淑子、和琴だけはよく出来ても駄目よ、立ち居い振る舞い 全て美しくなくては。」 不満そうに声を上げる淑子を一睨みした。
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