左大臣家の三の君。

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降るような縁談話、恋文が届いてはいるが本人は気乗りしないのか、全て断っている。 「姫、貴女も16なのだからそろそろ良い人を見つけなくては。」 心配そうにする父を他所に淑子はその美しい顔を難しくする。 「お父様、この家を殆ど出たことがございません。ですから…一度でいいのです、どうか外の世界に行かせて下さい。」
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