Act.1  おとうとのともだち

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 次の日。 相変わらず進まないネームを前に、頭をひねっていた4時過ぎ。 ふと、家のインターホンが鳴った。 また押し売りだったら嫌だなと思いつつ、ドアをそろそろと開ける。 そこには、しんちゃんが立っていた。 「こんにちは、お姉さん」 「こんにちは……。哲太は?」 「哲太なら、急に委員会の集まりが入ったらしくて。 長くなりそうだったから、先にぼくだけ来ちゃいました。いいですか?」 「そりゃ構わないけど。どうぞ」 「ありがとうございます。お邪魔します」 昨日の弟の変な質問のせいで、思わずドギマギしてしまう。 そういえばこの前も、変な冗談、言われたっけ。 いやいや、しんちゃんが好きなのは、哲太なんだから。 そう言い聞かせて、丁寧な物腰で靴をそろえるしんちゃんに声をかけた。 「今日も外は暑そうだね。サイダーあるよ、飲む?」 「わ、嬉しいです。頂きます」 よしよし、いつも通りだ、私。 そう思って、台所に入る。 すぐにジャラジャラという音がして、続いてしんちゃんも台所に乗り込んできたことがわかった。 あれれ、哲太の部屋に行っててもいいのに。 そう思いながら、2つのマグにサイダーを注ぐ。 ペットボトルを冷蔵庫に入れると、マグのひとつをしんちゃんに手渡した。 「はい、どうぞ」 「ありがとうございます。あの」そう言って、しんちゃんは、わたしの目をみつめた。思わず鼓動がひとつ、大きくなる。 「今、お話、いいですか」
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