新しい春

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絵馬を取られてしまった男の子が、真ん中で恥ずかしそうに俯いている。 「よっし。じゃあ絶対合格しようぜ!」 「そうだな!絶対三人で!」 両隣の二人が、わしゃわしゃと真ん中の子の頭を撫でる。 「ふふふっ」 思わず私の口から笑みが漏れた。 あれ…? これってもしかして…… 「あっ」 不意に私の隣を駆けていった小さな女の子のポケットから、何かがスルリと風に舞う。 「落としたよー!」 慌ててその色画用紙のような紙を拾い、女の子の背中に声をかける。 「……?あっ」 こちらを振り返った女の子の表情が、疑問から気づきへと変化する。
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