602人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
お風呂に入りたい気持ちはあるが、体に残る違和感と鈍い痛みに躊躇う。
「そう。寝るから、出てく時は鍵持ってっていいよ。朝ご飯は、私らはいらない。宴会場は散らかってるから、食べるなら本館のビュッフェを利用してって清香さんからの伝言」
「分かった」
すぐに寝息をたてた蘭を見て、お風呂に入っているだろう流星に朝ご飯の件をメールすると、使っていない自分のベッドに座り景色を眺めながら流星を想った。
………………………………………………………………
湯に浸かった流星は、莉真との夜を思い出し満足気に息を吐く。
「すげーよかった。もっかいぐらいしたかったな」
「何をしたかったって?」
突然かけられた声に振り向いた流星は、入って来た人物に顔を強ばらせる。
「か、和真さん」
「おはよう」
「お、おはようございます」
いつも通り振る舞おうとするが、不自然に目が泳ぐ。バレてるはずないと思うのだが、流星にも分かるほど和真の機嫌が悪い。
最初のコメントを投稿しよう!