26人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご、ごめん、その……勝手に教室から連れ出して。なんか用事あるのかと思って、つっ、……つい…」
「うん、その通りだよ。ありがとう。助かった。」
ほんの少しだが、微笑んでいる彼に戸惑う。すごく どもってしまう。言葉がうまく出ない。
「ところで──…」
「は、はいっ」
笑顔が消え、申し訳なさそうに眉を寄せる彼に、より一層緊張が高まる。
「君、澤口くんだよね…?」
「……う、うん。澤口です。もっと言うと澤口輝です。てるてる坊主のてるです。」
そういうと、彼は ホッ と息を吐き、ふにゃっと頬を緩めた。
「よかった。僕人の顔と名前覚えるの苦手で…」
最初のコメントを投稿しよう!