第1章

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「ご、ごめん、その……勝手に教室から連れ出して。なんか用事あるのかと思って、つっ、……つい…」 「うん、その通りだよ。ありがとう。助かった。」 ほんの少しだが、微笑んでいる彼に戸惑う。すごく どもってしまう。言葉がうまく出ない。 「ところで──…」 「は、はいっ」 笑顔が消え、申し訳なさそうに眉を寄せる彼に、より一層緊張が高まる。 「君、澤口くんだよね…?」 「……う、うん。澤口です。もっと言うと澤口輝です。てるてる坊主のてるです。」 そういうと、彼は ホッ と息を吐き、ふにゃっと頬を緩めた。 「よかった。僕人の顔と名前覚えるの苦手で…」
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