救世の勇者のうた

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ああ なんでこの神聖な気持ちが続かぬのだろう 今なら世界を救える気がするのに スイッチを消して 一晩眠れば忘れてしまった やりかけの王道RPG あのときの自分は とても神聖な気持ちで 僕なら世界を救えると ほんとうにそう信じていたんだ 現実に呼び戻されたら 自分じゃない誰かが 勇者を気取って カッコつけてた ほんとうの勇者は 自分のことを勇者だなんて 決して名乗るはずもなく 今日もただひっそりと 名前も知らぬその勇者は 名前も知らぬ 多くの苦しむ人々のため ただひっそりと けなげに戦っていた
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