第4話

38/38
2129人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「乗って」 拒絶も抵抗もしていないのに、わざわざ助手席のドアまで開け、背中に手を回してエスコート。 私にそこに乗るよう、促す。 「別に逃げやしないけど」 ドアを静かに閉めようとする彼に向かって、ボソッと呟いた。 「そうだね。もう寄るところないもんね」 それに気がついた彼はそう答え、ニコッと笑う。 「……そうね」 どうも嫌味に聞こえるのは 「部長もさっき帰ったしね」 「……」 私の、気のせいだろうか。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!