第4話

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「……」 振り向けない私の手から、スルリ。と奪われたルームキー。 「『寄るところ』って、ここだったんだね」 フワリと香る、覚えのある香水。 甘い声。 「帰ろうか」 耳元で囁かれる言葉に、頷くことはできなかった。 「行こう」 繋がれた手は、ほんの少しだけ、冷たかった――
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